いきいきシニアライフの仕掛人【結いのまちづくり応援隊】

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 今、日本は「超高齢社会」で、人口の4人に1人が満65歳以上のお年寄りなのだとか。年をとっても、一人暮らしになっても、人とつながり楽しく過ごせる場所は、とても大切です。身近な地域にそんな「たまり場」を作ってみませんか?

「結い」のメンバーの皆さん

「結い」のメンバーの皆さん


 「結いのまちづくり応援隊」(以下「結い」)は、住民同士がつながり、孤立させないための「居場所作り」活動をしているグループです。昨年4月に結成。1年間で桃花台地区に4カ所の「居場所」を開設しました。そのうちのひとつ、今年4月に開設した「たまり場アニマード」(第2月曜開催)を、篠岡住宅集会所に訪ねました。

みんなで「アニマード」

 「アニマード」とは、ポルトガル語で「楽しい」の意味。さまざまな国籍の人が暮らすこの地区ならではの名前です。
 受付ではまず、利用者もスタッフもみんな平等に100円の参加費を払います。当日は30人ほどが参加しました。
 伊勢型紙を習う人、おしゃべりに花が咲く人、お手玉をチクチク縫う女性たち、みんな思い思いに楽しんでいます。「豆は値段が高いし、最近は“じゅず玉”もないから、お手玉の中には細かいプラスチックを入れるのよ」という手芸の先生の言葉に、「へえ~」と驚くお手玉チーム。笑顔がはじけます。

老いも若きも気軽に

 スタッフは、地域の役員経験者や、自分の勉強のために来ている介護職の男性など、若い顔も。利用者が、「お世話するほうも楽しい」と、スタッフに早変わりすることもあるとか。
「利用者は出入り自由。自分がやりたいことを楽しめばOKなので、老いも若きも、気軽に来てください」とのこと。
 できたばかりの「アニマード」ですが、ずっと前からあるような、あたたかい雰囲気です。代表は、「結い」の副代表でもある大杉さん。スタッフにとって「頼りになる存在」です。

お手玉作りに夢中です

お手玉作りに夢中です

それぞれの地域に居場所を

 「結い」が目指すのは、「歩いて行ける身近な場所にある、地域に合った、地域の人たちが自分たちで運営する」居場所作り。ご近所のつながりは、災害時に助け合える、なによりの「防災」にもなります。
 また、引きこもりがちな老後の男性を外にひっぱり出すのも、ひとつの目的だとか。麻雀大会は、いいきっかけだそうです。
 市や社会福祉協議会と連携しながら、50会場の「居場所」を作るのが、当面の目標。長い人生で得た豊かな経験と人脈、フットワークの軽さがきわだつ、つわもの揃いの「結い」です。

おやつのヒミツ

 楽しいおしゃべりに欠かせないのはお菓子。「アニマード」で出されるお菓子は、社会福祉協議会を通じて無償で提供された「フードバンク」のお菓子。「おやつ代」が助かっています。
 「フードバンク」とは、包装が破損したり、賞味期限が近づいた食品を、福祉団体や生活困窮者に配布する活動。食べ物を無駄にせず有効活用する、注目の活動です。

編集後記
 今回の取材では、いきいきと輝く人生の先輩方にたくさん出会いました。スマホばかり見ている若者より、ずっと元気。「結い」のメンバーは、ネットワーク作りがすごいと思いました。さすがです!
今回の取材先
結いのまちづくり応援隊
電話番号:79‐1538(代表・松田剛彦)