今回紹介するのは、常設の動物園を持たず、小牧を拠点に移動専門で運営している移動動物園ポニー牧場です。
昭和63年に発足した「移動動物園ポニー牧場」は、大草を基地としています。現在スタッフは5人。
もともと動物に関わるアルバイトをしていたという代表の谷口博美さん。その仕事の厳しさを知ったにも関わらず、移動動物園を始めてしまうのだから、動物好きなのは筋金入り。動物といるのが日常。これといったきっかけもなく、ごく自然にポニー牧場を始めたそうです。
日頃から、「無理は禁物」の精神で、抱える動物の数や種類は、当初から一貫して目が届く程度に。活動エリアは移動時間にかかるストレスを抑えるべく、愛知、岐阜、三重の近郊に限定しています。更に夏や冬の催事を避けるなど、動物に過度な負担をかけないように心掛けています。それはこれからも変わらないと話します。
動物から受ける恩恵
移動動物園ポニー牧場の代表選手は馬・ヤギ・羊・ミニブタ・ウサギ・モルモット・ヒヨコと、ふれあいに適した動物たち。都市部より美濃や関など郊外からの依頼の方が多いそう。昨年は、小牧商工会議所青年部から声がかかり、小牧市民まつりにも参加しました。また、恒例行事として毎年依頼してくれる市内の保育園や幼稚園もあるそうです。園児に用意するのは、小動物へのエサやり、動物タッチ、抱っこ、引き馬で乗馬体験、一人一人に記念撮影と、盛り沢山。
小動物に触れるだけでも恐る恐るの年少児。年長児の乗馬体験では、目を輝かせ今か今かと自分の番を待ちます。乗せてもらうと、いつもと違う高さの視線に興奮する子もいるそうです。動物と触れ合うことで「普段はあまり見せない我が子の表情が垣間見られた」「動物たちが温かいねって、当たり前のことだけど、命を感じてくれたようでうれしい」と、行事に参加した保護者から聞こえてくる感想には、いつも喜びとやりがいを感じるそうです。
動物愛と親子愛
笑顔に包まれる素敵な仕事ですが、楽しい!ばかりではありません。裏方の仕事を大まかに言えば、動物の健康管理と衛生管理。それはとてもきつい仕事です。動物の出産が近いとなれば、昼夜を問わず見回るそうです。
この日、催事後の業務をするスタッフの中に、三男の仁歩さんの姿が。プロのキックボクサーの顔を持ちながら、稼業を助ける孝行息子です。「まだまだ使えない」などと厳しい言葉を発するその顔は、うれしさを隠しきれない優しいお父さんの笑顔でした。
今回の取材先
移動動物園ポニー牧場
住所:小牧市大草5785
電話番号:79‐4544